会 報 誌
(平成16年6月発行)

【 会 長 挨 拶 】 アフガニスタン子ども教育支援
【チャリティー絨毯展&写真展】
【 ラジオ出演 】 【アフガン子ども教育支援托鉢】
【 アフガニスタン訪問 】 Mobile Workshop of Education for Children
【 移動式寺子屋 】
アフガン子ども教育支援運動
【 支援の重要性 】
【 介護老人福祉施設慰問 】
【 浜 の 清 掃 】 阪神淡路大震災
【 慰霊法要 & 行脚 】
【 東大寺花まつり千僧法要 】 【 第38回 大阪府仏教徒大会 】





府仏青佐藤会長 ― あ い さ つ ―
         大 阪 府 仏 教 青 年 会
   会 長 佐 藤 潤 宏 (大阪市、浄土宗 長安寺)

 近年、私たちを取り巻く生活環境は目まぐるしく移り変わっています。 科学技術の発達等に伴い、便利さ・速さを追求する社会に変わってしまったかのように思えます。 しかし、その一方で、スローライフや癒しなどという言葉が流行するということは、現在の社会に皆がストレスを感じている証拠ではないでしょうか? 実際、ここ数十年は家庭内での殺傷事件、犯罪の低年齢化等のニュースが連日紙面を賑わせています。 周囲の激しい変化に惑わされず、自己をしっかりと見つめ、地に足の着いた心のこもった活動こそが、今私たちに求められていることではないでしょうか?

 平成15年度、当会では国際・福祉・環境の3分野において活動を進めてまいりました。 常にお寺から外へ出向き、青年僧侶の活動を少しずつ世間の人々に理解して頂くために…。

 そこでは素敵な出会いがたくさんありました。 増田副会長と共にアフガニスタンの首都カブールを訪問し、貧困・社会情勢不安定の中でも助け合いながら暮らしている家族・子どもたちとの出会い。 アフガンチャリティー絨毯展や街頭募金での支援者との出会い。 福祉施設の入所者との出会い。 私たち僧侶とは違う環境で仕事をしつつNGO活動をする方々との出会い。 たくさんの涙・笑顔・感動・情熱に触れました。

 更に、何にも替えがたいものとして、共に力を合わせ活動してゆく仲間との出会いがありました。 時には真剣に意見をぶつけ合い、又、時には冗談を言って笑い合う仲間たち。 私にとって、これこそが人生の財産であると思います。


  Coming together is a beginning, Staying together is a progress, and Working together is a success.

  人が集まれば始まり、続ければ進み、努力すれば成功する (ヘンリー・フォード)


 一人で、また、一寺院では困難な社会教化活動もみんなの力が集まったら大きな力となって叶えることが出来ます。一青年会では出来ない活動も色々な青年会の力が集まれば叶います。これからも色々な会と積極的に協力し合い、様々な人と出会い、苦労し、経験をし、喜びに変えていきたいです。





アフガニスタン子ども教育支援チャリティー
絨毯展 & 子ども笑顔の写真展

浄土真宗本願寺派 栄照寺 木村慶司

人々が幸せになるために・・・

  「目に見えるものでも、見えないものでも、遠くに住むものでも、近くに住むものでも、
   すでに生まれたものでも、これから生まれようと欲するものでも、
   一切の生きとし生けるものは、幸せであれ。」
      (ブッダのことば/スッタニパーター)


 皆さんは「イスラム、アラブ」という言葉を聞いてどんなイメージを思い描くでしょうか?
良いイメージですか? それとも悪いイメージですか? そして、何故そのようなイメージを持つのでしょうか? もしかするとそれは偏った見方かも知れません。

 世界中には多くの国があり、多くの民族がいます。 身近に感じている国や民族もあるでしょうし、そうでないものもあるでしょう。 そして、それぞれの国や民族にはそれぞれの文化があります。

 仏教の教えの中に「無分別」というものがあります。 物事を分け隔てなく見る、そして優劣をつけないという事が大事であるという事です。 しかし、残念ながら私たちは偏ったものの見方をしてしまいます。
これを少しでも直していくには、接する事、よく知る事が必要です。


 平成15年11月1〜2日
(天王寺区、四天王寺にて)、そして翌16年2月3〜4日(北区、太融寺にて)と、私たち大阪府仏教青年会では「アフガニスタン子ども教育支援チャリティー」を開催し、アフガニスタンの人たちの手によって織られた絨毯の販売を行いました。 そこで接したアフガニスタンの文化、絨毯の素晴らしさ、展示されていたアフガニスタンの子どもの写真によって、私は今までよりアフガニスタンという国やそこに住む人々を身近に感じられるようになりました。
デーマザング
砲撃の痕が生々しく残る廃墟で
暮らす子どもたち。

 アフガニスタンに住む人たちは、戦争の影響により大変苦しい生活をされているそうです。 また、世界では他にもただ生きるということさえも困難な人々がたくさんいます。 日本の中も大勢いることでしょう。 そういう人たちも幸せになる権利はあるのです。 一人でも多くの人が幸せになるには、私たち一人一人が少しずつでもその人たちの事を知り、偏ったものの見方や思い込みをなくしていかなくてはなりません。

 まず、私から・・・、一歩ずつ・・・。


絨毯展 at 四天王寺
日本に仏法が伝わった最初の地、
四天王寺にて開催。



会場内には、ペルシャやアフガニスタン、
イランのギャッベなどの絨毯を展示。



アフガンの子どもたち500人の
笑顔の写真展。





A M ラ ジ オ 出 演


 平成15年10月19日、木村慶司・国際協力部門事務局長がラジオ番組の収録に臨みました。

 朝5時30分よりAM神戸で放送の「本多隆朗の健康を照らさん!」という番組内で、パーソナリティの本多さんと「アフガン子ども教育支援」について対談しました。

 この番組は、山田念珠堂様がスポンサーの番組で、番組を聞いて四天王寺に来場された方と、絨毯を購入された方、先着500名様にプレゼントとして腕輪念珠を提供下さいました。 ご協力ありがとうございました。

本多隆朗の健康を照らさん!
パーソナリティの本多隆朗さんと。

朝日新聞
平成15年10月19日
朝日新聞家庭欄掲載記事

毎日新聞


毎日新聞 掲載記事

産経新聞


平成15年10月30日

産経新聞 総合

中外日報


平成15年10月28日

中外日報

読売新聞


平成15年10月25日
読売新聞 生活欄掲載記事





アフガニスタン子ども教育支援街頭托鉢

浄土真宗本願寺派 法雲寺 辻本純昭


 平成15年10月21日、お大師さんの日の午後2時半から四天王寺様境内において、「アフガン子ども教育支援」チラシ配り・募金活動を実施しました。 生憎の雨で参詣者が普段より少なかったにもかかわらず、多くの人が私たちの言葉に足を止め、熱心に質問されたり、募金活動に協力をして下さいました。

 また、平成16年5月18日には阪急豊中駅前にて街頭募金をしました。


 大阪府中の総勢19名もの色んな宗派の僧侶方と業者の方々が、豊中の仏教の慈悲の灯火の為に立ち上がってくれました。 装束もばらばらで、手甲着で三度笠あり、修験道者の装束に法螺貝あり、布袍に輪袈裟あり…。 中にはお子様連れで参加した僧侶もおり、可愛らしい少年僧侶も一緒にアフガンの子どもたちの為に2時間半、駅前での街頭募金に頑張りました。

アフガン支援絨毯展チラシ
 托鉢をしておりますと色んな”人の情け”に触れられて、私自身毎回良い勉強をさせてもらっております。

 豊中托鉢では私の自殺した知人の息子F君(小学校高学年)に会いました。 F君は父親に家族ごと捨てられた上にその父親は自殺をしてしまったのです。 数年ぶりに出会ったF君はよれよれの服を着て、見るからにグレた仲間と一緒にいました。 が、私から「アフガン子ども教育支援托鉢」だと聞くと、ヨレヨレのポケットからなけなしの10円や1円を一杯出してきて、その上、悪ガキ仲間全員から10円や1円を集めてくれました。 募金を拒む私にF君は「おっちゃん、ええやんけ!」とチャリチャリーン・・・。募金箱の底は沢山の10円や1円で埋まりました。

 その私たちの傍を大勢の立派な服を着たOLやビジネスマンがそ知らぬ顔で通っていきました。

 今も心の中でF君に頭が下がる私でした。“人の情け”と“ダーナの心”のありがたきかな。

 これからも、このような人々の優しい心をアフガンまで府仏青の仲間と共に届けたく思います。

    
豊中托鉢当日の募金総額/40,487円。

托鉢 at 豊中駅前1     托鉢 at 豊中駅前2





アフガニスタンの首都カブール訪問

真宗大谷派 圓勝寺 増田友信
カブール1

カブール2

 平成16年3月9日から17日までの9日間、全日本仏教青年会を代表して大阪より佐藤潤宏
(府仏青会長、全日仏青副理事長)と増田友信(府仏青副会長、全日仏青理事)の2名が、国際子ども教育基金(CEFI)の片岡弘子・向村春樹両氏の取材調査旅行に同行するかたちで、アフガニスタンの首都カブールを訪れました。

 カブールは、標高1,760m、周りを山で囲まれた盆地で、雨は殆ど降らず乾燥し、砂埃と排気ガスで視界の悪い日が続きました。 市内は、国際治安支援部隊
(ISAF)による装甲車での巡回、検問の実施のおかげである程度の治安の安定がみられました。 でも、それが逆に危険と隣り合わせにある事を物語っているように思われました。 街には破壊された家屋や壁に残る弾痕、大きく穴の開いた道路、肢体不自由な人々など、戦争の傷跡が今だ多く残っているものの、1年前にここを訪れたCEFIスタッフによると、放置されていた軍用車両は殆んど整理され、新たに建設中の建物が増えるなど表層では復興が順調に進んでいる印象でした。 旧市街のバザールでは、食料品や日用品などの物で溢れかえり、植木や花の鉢植えまでが売られており、荒廃したこの国の復興に努める人々の意欲と活気を感じました。

 そんなカブール市内を、武装警官を始め通訳&ドライバーなど5名の現地スタッフにガードされながら、難民省と難民キャンプ、孤児院と無料学校・無料診療所などを精力的に回りました。





☆☆☆ 内陸国アフガニスタン ☆☆☆


 内陸国アフガニスタンは、周囲を中央アジア・南アジア・中東地域に取り囲まれ、文明・宗教の十字路として古くから東西両世界と深い関わりを持ってきました。とりわけ、私ども仏教徒にとりましては、玄奘三蔵の「大唐西域記」にも記された「梵衍那国
(バーミヤン)」の巨大石仏があるなど、深い関わりのある国なのです。

 日本の約1.7倍の国土を持つアフガニスタンは、'79年のソ連軍侵攻以後10年間のムジャヒディーンとの戦い、その後ムジャヒディーン各派の覇権を争う泥沼の内戦、そして、米国同時多発テロ後の空爆・戦争と、実に23年にも及ぶ戦乱と、地球温暖化による干ばつを始めとした自然災害などで国土は極度に疲弊し、世界で最も貧しい国の一つに挙げられるほどなのです。

 また、「最も残酷な兵器」と呼ばれる地雷が多くある国としても知られており、現在、首都カブールなどを除くほぼ全域に”退避勧告”が出されております。

カブール3 カブール4 カブール5





     モバイル・ワークショップ
 Mobile Workshop of Education for Children (移動式寺子屋)

真宗大谷派 圓勝寺 増田友信

 モバイル・ワークショップ
は、昨年12月に来日中だった映画監督のセディク・バルマク氏
(「アフガン零年」の監督)とCEFI&府仏青との会合の際、同氏が提案したもので、学校に行くことの出来ない子どもたちや教育を受けられなかった母親の許に、教師がチームを組んで出向きそこで教えるという、いわば移動式寺子屋のことです。

 実施する場所は、本来は都市部以外の村のほうがより必要度が高いのですが、治安の問題から先ずはカブール市内の国内避難民キャンプ
(IDP)で4つの教室をスタートさせる事になりました。

 クラスのプログラムや運営に関しては、全アフガン婦人連盟
(アフガン女性の地位向上や自立の手助けをしている団体)に一任。 公用語であるダリー語(アフガンペルシャ語)保健衛生の授業を始めました。
デーマザング2

 教師の給料とクラスの運営費など一切で1ヶ月2,600USD。 毎月の成果や報告と引換えに団体にお金を渡すシステムにしました。



CEFIスタッフでイラストレーターの濱田るり子さんの
イラストを元に現地の絵描きに描いてもらう。
諸経費込みでおよそ98万円。


府仏青より寄贈したモバイル・カー。
教師や書物を運ぶ足となる大切な車。


国際子ども教育基金(CEFI)

 平成14年からアフガニスタンの子どもたちへの教育支援を続けるNGO団体。 その母体は、20年以上子どもの教育関係の出版物を企画・制作してきた潟Eィル(東京、南青山)という、女性を中心とした8名程の小さな会社で、会社設立20周年を迎えるにあたり、今後、社会とどの様な関わりを持って生きていくのか、社会にどの様に貢献したら良いのかを模索した結果、「アジアの恵まれぬ子どもたちに教育支援を」との考えに達し、この基金を設立。 その最初のプロジェクトが「アフガン子ども教育支援」なのです。





アフガニスタン子ども教育支援運動

真宗大谷派 圓勝寺 増田友信



・成人の識字率 … 16%

・5歳未満児死亡率 … 26%

・適切な衛生施設を利用する人…12%



 ★ アフガニスタンについて


 = 支援の重要性 =


 現在、世界の関心はイラクに向けられており、その問題の複雑化などの事情で国際社会の関心が薄れつつあるアフガニスタン。少しずつ復興の一途を辿っているものの、今なお人々の生活は困窮し、以前にも増して劣悪な環境の中で暮らしております

 かつて、国の窮状に不満を持つ若者たちが「マドラサ」というイスラム神学校で過激な宗教教育を受け、武装組織タリバーンとなって急進的イスラム原理主義を推し進めていき、国際テロ組織アルカイーダを擁護したように、これからも第2第3のタリバーンやテロリストが生まれる可能性があるのが現状
です。

 また、この国の15歳以上の女性の識字率は21%
(※1)、成人女性に限っては16%(※2)と非常に低く、物事を判断する上で必要な情報量が圧倒的に不足しており、母親の多くが保健衛生の知識に乏しい為、病気や栄養不良などが原因で4人に1人の子どもが5歳までに亡くなっております。
    ※1 The World Factbook '03   ※2 UNICEF

 このような状況下、子どもだけでなくその親たちの教育も重要であり、教育や福祉活動に助力の手を差し伸べることが、長期的に見ればテロ撲滅の最良の手段であり、こうした非軍事的な事にこそ、私たち日本の果たす役割があるのではないでしょうか。

難民キャンプ1  難民キャンプ2  デーマザング3  難民キャンプ3





介護老人福祉施設慰問

浄土宗 善法寺 日比野 常春


 福祉部門では、今年度3回、老人ホーム慰問をさせて頂きました。 行き先は、旭区高殿にある介護老人福祉施設「高殿苑」です。

 一度目の訪問では、高齢者の方とどの様な形で接してよいのか分からず、人形劇やお話等こちらから一方通行でするようなプログラムで進行しました。 しかし、何だか自己満足だけで終わりました。それを反省材料に、二度目の訪問では色々な高齢者ボランティアの方たちとの交流を図り、話し合い、リハーサルを重ねて臨みました。 みんな一緒に軽く身体を動かしゲームをしたり、懐かしい歌を一緒に歌う等のプログラムを作り行った事で、入所者の方たちと一緒になって時間を過ごせた様に感じられました。

 また、これからの訪問のためにアンケートを作り協力して頂き、次回へ繋がる勉強もさせて頂きました。その中で、「入所者が若いお坊さんと交流ができ、今まで見たことの無い笑顔を見ることができた。」という言葉を頂きました。感無量でした。その反面、文字の大きさ・歌の音域の違いといった些細なことでも、高齢者の方にしたら大きな問題と受け止め、これからは高齢者の立場になって色々と考え取り組みたいと思います。
高殿苑1  高殿苑2  高殿苑3  高殿苑4





浜 の 清 掃 活 動




 平成15年7月22日に西宮浜で開催された「マリンウィーク」に参加し、浜の清掃活動と、知的障害者通所授産施設「羊会すずかけ作業所」の皆さんの体験乗船の乗船時のお手伝いをさせて頂きました。

 以前、海岸の清掃をやるので協力してもらえないかというお誘いが佐藤会長を通じてあり、みんなで話し合った結果、僧侶は掃除で始まり掃除で終わるという事もあり、協力することとなりました。

 いざ当日海岸に行ってみると、花火の屑・茶碗の欠片・煙草の吸殻等、想像以上に散乱しているのを見てびっくりしたのと同時に、私自身の今までの行動が恥ずかしくなりました。この事は、私たちの住む町にも言える事ではないでしょうか? 海は泣いていました。 道路や排水溝に投げ捨てられた吸殻も最後には海にたどり着くのです。 その時聞いた話ですが、煙草のフィルターが土に還るのに最低でも約200年かかるらしいのです。

 これからは、一人ひとりが自然を守り再生することに努め、そして、住みよい町づくりをしていく事が大事だと思います。 その為には、今後私たちに何が出来るのかを考え、努力していきたいと思っております。





阪神淡路大震災慰霊法要 & 行脚

浄土宗 安福寺  大崎信久


あわせ地蔵

あわせ地蔵

 平成16年1月16日の夕暮れ、神戸JBの事務所にて阪神淡路大震災犠牲者慰霊逮夜法要が勤められました。仏教各宗の青年僧40名ほどが、それぞれのスタイルでまことの祈りと哀悼の意を捧げました。

 翌日早朝、まだ辺りは暗くしかも冷たい小雨の中、神戸市長田区にある御菅公園に多くの人々が集いました。広いはずの公園も手狭に感じるほどの勢い。家族連れも多く、特に印象的だったのが震災後に生まれたと思われる子どもたちが父兄の姿に倣い共に神妙に手を合わせている様子が少なからず見られたことでした。まだまだ涙涸れる気配を感じられませんでしたし、あの時刻から何か止まったままの様でもありました。やがて大地が大きく揺れた時刻になると、誰もが思い思いに手を合わせ、黙祷をいたしました。公園の中心には、自身で犠牲となられた方を彷彿とさせる灯火がやわらかく私たちの足元を照らし出していました。

 私たちは黙祷の後、慰霊祭を勤め、この地を離れて犠牲者慰霊行脚とイラン地震救援募金のための托鉢へと出発。途中幾度と各地域で犠牲者の慰霊のための集会が行われているのを目にいたしました。震災直後の記憶が私の脳裏を幾つも過ぎりました。
やがて鷹取あわせ地蔵前に到着し、付近住民の方々と共に追悼のための回向を行いました。早朝にもかかわらず熱心に参列され、また温かいお茶とぜんざいまで用意して下さっていました。この頃になると小雪の舞う冷たい空模様に変わり、遠くは六甲山系は白く薄化粧を施していました。それでもかじかみ始めた指先を暖めることが出来ました。何より心温まる接待に励まされ、力身に満ちました。

 続いて場所をJR鷹取駅前とJR兵庫駅前に移し、イラン地震の救援のための托鉢を行いました。土曜日という事もあり人通りも少ない様でもありましたが、一期一会という言葉もあるように、通りがかりの方々とも互いに心のこもった挨拶を交わすことが出来ました。

 今回の托鉢行脚は兵庫区門口町の福巌寺が終点。到着後、改めて慰霊法要を行い、堂内には荘厳な読経が響き渡りました。

 終点は、すなわち起点。来年は10周年という、節目の年です。

御菅公園にて     慰霊行脚     鷹取駅前にて





東大寺 花まつり千僧法要 16周年

高野山真言宗 富光寺 松家宣崇

東大寺千僧法要1
 平成16年4月26日の東大寺に於いての「花まつり、千僧法要16周年記念法要」に参加して、大変感慨深いものがありました。

 以前に東大寺には訪れた事はあったのですが、その時はプライベートで、僧侶であるとおい思いでのお参りよりも観光という気持ちが強かったと思います。

 しかし、この度の法要では、大阪府仏教青年会の一役員として出仕させて頂き、南大門を出発し道中散華しながら進列し、中門正面を抜けて大仏殿正面基壇前で威儀厳重に庭讃を唱え、入堂しては大仏殿ご内陣壇上へ東階段を登壇して惣礼の大発声で法要が始まり、表白や慶讃文で読まれた仏教興隆や世界平和を祈念しての読経が厳粛に執り行われた。このような機会がなければ他宗派の青年僧侶が登ることが出来ないような場所でのお勤めをさせて頂き、貴重な体験が出来たことが大変有り難かった。青年僧の声明が壮大なスケールの毘盧遮那佛に共鳴して、大仏様の息吹のように感じられた。

 大仏殿を退出してアショカピラー宝塔前でも法要をしたが、この法要は昭和63年4月26日に行われた「仏教興隆花まつり千僧法要」以来、全日本仏教青年会では、続けて宝塔前の清掃と簡単な法要を4月26日に毎年16年間継続されてる事に頭の下がる思いがした。

 一昨年に厳修された東大寺大仏開眼1250年慶讃法要の後、4月26日を「青年仏教徒の日」と全日本仏教青年会では決定し、昨年同様本年も大仏殿壇上に於いての法要をされたが、これから先もずっと続けていかれる事を期待したい。そして東大寺の青年僧方、南都二六会、全曹青、奈良県曹青、全日仏青に協力して大阪府仏教青年会々員が参加して名称どおりの千僧法要ができる事を期待したい。

東大寺千僧法要2          アショカピラー宝塔清掃





第38回 大阪府仏教徒大会



 平成15年11月11日、第38回大阪府仏教徒大会を心斎橋のホテル日航大阪にて開催。「少年犯罪と宗教・教育」をテーマにしたシンポジウムでは、増田貞圓・大阪府仏教会会長のコーディネートのもと、3人のゲストパネリストによる意見交換が行われました。

 竹内脩・大阪府教育長は、いじめ対策や非行の集団化の抑止など行政の取り組みを説明。

 大村英昭・関西学院大学社会学部教授は、「実は少年による殺人は減ってきている」と指摘。むしろ問題は、“ひきこもり”とし、少年を取り巻く環境改善の必要性を主張。

 北村日照・大阪保護司会連合会副会長
及び 大阪少年補導員連絡協議会会長も同様に、家庭を始めとする社会の環境改善の重要性を訴えられていました。

 なお、シンポジウムに先立って、小笠原流煎茶道社中によるお茶席が設けられ参会者に振舞われました。




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