会 報 誌
(平成17年6月発行)

アフガン子ども教育支援
【チャリティー絨毯展&写真展】
アフガン子ども教育支援
【 活 動 報 告 】
中越地震・台風水害
【 救援支援托鉢 】
スマトラ沖地震緊急支援
【チャリティ−絨毯展&墨蹟展】
【介護老人福祉施設慰問】 【 浜の清掃活動 】
阪神淡路大震災
【 慰霊法要&行脚 】
【東大寺花まつり千僧法要】 【 第39回 大阪府仏教徒大会 】 全日本仏教青年会
【 全 国 大 会 】





アフガニスタン子ども教育支援チャリティー
絨毯展 & 子ども笑顔の写真展

浄土真宗本願寺派 浄泉寺 立石泰行


四天王寺

チラシ配りの様子(11月22日)

 本年度のアフガニスタン子ども教育支援チャリティーは、平成16年12月10日から12日の3日間、四天王寺本坊で行いました。 天候にも恵まれ、12月とは思えない暖かな中、たくさんの方に足を運んでいただきました。

 過去のチャリティー開催時を振り返ると、当時の私たちはアフガニスタンについて理解していたつもりが実は無知で、懸命にしていても、ご協力頂いているCEFIの皆様の足でまといになるばかりだったように思われます。 未体験の事ばかりで即座に吸収して実践するのはとても困難だったのです。

 しかし、昨年3月、当会の会長並びに副会長が現地に足を運び、実際に自らの目で見、耳で聞いたものは驚くべきことばかりで、身が引き締まる思いであったことと思われます。 帰国後、各役員は写真や映像、そして現状を聞き、少しずつではありますが理解をし、今までより今回の開催を迎えることができたと思います。

 そして今回の開催では、去年協力して頂いた方々へのフィードバックも、スクリーンや会報誌という形を通じて報告することができました。

 ビデオや言葉を通じて見たアフガニスタンの現況ではありますが、「戦後間もない日本」という言葉がピッタリするのではないでしょうか。 昔、私の祖父などから聞いた、物を選んで買えるというのはごく一部の限られた人だけで、一般の人々は物を買うこともまして選ぶということなんて有り得ない世界であった。 しかし、その中でも『今を生き抜くんだ』という強い思いが目を輝かせていたのだと思います。 現在のアフガニスタンも衛生面・識字率・死亡率等というものはニュース等を通じて皆さんにも漠然と分かるかとは思いますが、今回の現地視察のビデオの中での子どもたちは、衛生面というものを気にせず、井戸を掘ったことにより出た水を手も洗わずに目をキラキラさせて飲み、そして水が出たことを友達同士で喜びを分け合っていました。

 喜びを分かち合うということ、そして、『今を生き抜くんだ、生ききるんだ』という強い目の輝きが、私にアフガニスタンの支援を通じて、またその子どもたちを通じてたくさん学ぶことがあったと思います。

 最後になりましたが、当会のことを理解し協力して頂いた方々へ誌面を借りて失礼ではありますが、御礼申し上げます。

絨毯展 絨毯展2 絨毯展3 絨毯展4
ルーマニアのパデゥ工房職人の手によるカメオ彫りのランプも展示・販売。





アフガニスタン子ども教育支援
活 動 報 告

国際子ども教育基金 代表 向村春樹


モバイル・ワークショップ

 平成16年3月にスタートさせた
モバイル・ワークショップ(移動式寺子屋)。 3カ所の国内避難民(IDP)のキャンプで、子どもたちと母親を対象にまずは識字教育と保健教育ということで、その運営を全アフガン婦人連盟に任せ、この1年が経過した。

 その調査と今後の方向性を決めるために3月にカブール入り。 先生たちの仕事環境は非常に厳しい状況。自らが難民キャンプに出かけ、普段は住居として使っている空間を教室に
してのクラス運営。 特に女性の教育に関しては、超保守的なキャンプもある。 その上、貧しいが故に運営費に関しても様々なトラブルが発生している。 そんな中でも、金曜日を除くほぼ毎日一日2時間のクラスを3ヵ所で4クラス継続していた。

 キャンプの代表者などの第三者を通して、先生たちが非常に良くやってくれているという報告を受け、実際に1年前と比べ、生徒たちの明るさを増した笑顔に成果が見てとれた。 この1年間の識字クラスを終え、更なる充実を図ろうと先生たちから洋裁クラスを開きたいとの提案があり、これを承認。 女性の3クラスに手動ミシン15台を購入、新しくハビバ・サルターニ先生
(38歳、女性)を洋裁専任の先生として雇い、3クラスをローテーションさせることでスタートした。 先生たちも全員、洋裁の素養を有しているので、この時はアシスタントを務める。 ともすれば、明るい話題の少ないIDPキャンプで女性の多くが夢を持てるものをテーマにと、結婚式に使うウェディングドレスにしぼって洋裁訓練を始めることにした。

 1年後にカブールの市内に自分たちが作ったドレスを売る店を、将来はウェディングドレスの専門工場を作ろうと話題は盛り上がっていく。 スタート早々洋裁クラスは凄い人気で、指導者をもう一人雇いたいという積極的な申し出を受けたところである。 夢に向かって進む、女性教師のチャレンジを支援し、見守っていきたい。





中越地震・台風水害救援支援托鉢

浄土真宗本願寺派 誓願寺 渡辺智行(豊中市)

太融寺山門
 私は、真宗大谷派の住職をしております。 昨年、大阪府仏教青年会に入会しまして、今回が4回目の托鉢になりました。 第1回が北区太融寺、第2回が豊中駅前、第3回が四天王寺。 過去3回はアフガン子ども教育支援募金で、今回は新潟震災復興支援募金を行いました。

 今まで全く托鉢をしたことがなく、この会に入って初めて体験しました。 第1回の太融寺山門前の時は、人前で大きな声を出してお願いするという行為に戸惑いと恥ずかしさがありました
(もう4回目なので大分慣れましたけど)

 今回は、太融寺の北側大通り沿いで行いました。 オフィス街ということで、サラリーマン・OLがたくさん通りましたが、なかなかお金を入れてもらえません。 逆に、買い物の主婦や子どもの方がわずかでも入れてくれました。

 また、自転車に乗りながらわざわざ止まって入れてくれる人、熱心に話しかけてくれる人と多種多様でありました。

 結局3時間ほどで、わずかな額しか集まりませんでしたが、私たちも体験した大震災の復興に少しでも協力出来たということで、托鉢を終えてから清々しい気持ちになりました。

 この会も色々とボランティア活動を行っていますので、できるだけ多くの人に賛同とご協力をお願い致します。私も時間の都合がつく時は積極的に参加したいと思います。


               
災害救援募金の報告

     <収 入>
       托 鉢   \  66,786.  (11/29 太融寺 12/12 四天王寺にて)
       寄付金   \  32,475.  (増福寺・源正寺・長安寺十夜法要にて)
             \ 186,356.  (大阪府仏教徒大会にて)
       合 計   \ 285,617.

     <支 出>
       義援金   \ 100,000.  (日本赤十字社災害義援金を通じて兵庫県へ)
       義援金   \ 100,000.  (日本赤十字社災害義援金を通じて新潟県へ)
       合 計   \ 200,000.
 
       残  金   \  85,617.  災害救援基金として次年度に繰越し





スマトラ沖地震
緊急救援チャリティー絨毯展 & 墨蹟展

浄土宗 長安寺 佐藤潤宏

大阪大仏堂

 平成16年12月26日午前8時(日本時間同10時)頃、インドネシア・スマトラ島北端の西方沖でマグニチュード8.9の強い地震が発生。 最大10メートルの津波がスリランカ、インド、タイ、マレーシアなどインド洋沿岸各国を襲った。

 日に日に増えてくる被害者の数。 地元の住人を始め、観光に訪れていた欧米人、また多数の邦人の犠牲者も含まれているようだ。 インドネシアやスリランカ、インドなど12カ国で死者と行方不明者は約22万5千人で、現在もこの3カ国を中心に約160万人が避難生活を送っている。 邦人の犠牲者は36人にのぼっている
(5/25現在)

 大阪府仏教青年会では、この未曾有の大惨事に対し、じっと報道
を眺めているだけでは心が痛む。 何か手助け出来ないかと、NGO国際子ども教育基金の向村氏と共に支援チャリティーを企画・運営することとなった。

 平成17年1月22・23日、当会賛助会員でもある大阪大仏堂(大阪市西区)を会場として提供して頂き、『スマトラ沖地震津波被災者支援緊急チャリティーバザー』(主催; 日本スリランカ文化教会(※下記参照)、NGO国際子ども教育基金)を開催する運びとなった。
準備期間はたった10日間。 にもかかわらず、世の中の関心は非常に高く、少しでも被害に遭った方々への力になれればと、たくさんの協力を得ての開催となった。 会場には、ギャッベ絨毯、油絵、書(掛け軸・色紙など)、陶器、木工、タイ・シルク等多数のチャリティー商品が出品された。

 22日午後2時からは、スリランカ国在関西名誉総領事のネルソン・ウィターナゲ氏によるスリランカ被災地現況報告会が開かれ、「何よりも早い復興のために皆さんの協力が必要。このようなチャリティー・バザーを私たちの国スリランカを思って開いてもらえる事はとても有り難い。」と感謝の言葉を述べられた。

 23日には、スリランカ僧侶ニャナー・ランカーラ師(スリランカ寺関西住職、NGOスリジナラタナ社会福祉協会会長)が会場に訪れ、今回の被災者に必要な支援内容についての報告を受けた。 この災害による最大の犠牲者はやはり子どもたちです。 師は、スリランカの子どもの就学支援などに取り組んでおり、津波遺児への奨学金給付なども進めている。未だに現地では住宅や学校の再建が進んでいないそうだ。

 皆様からの温かい善意は、子どもたちの教育に利用されますようにと、NGOスリジナラタナ社会福祉協会を通じて災害に遭った方々にお届けしました。 ご協力下さった皆様方、ありがとうございました。

 ※ 日本スリランカ文化協会…1986年設立。スリランカの子どもたちを里親制度で教育支援し、文化交流を図っている団体。


  スリランカ国内の犠牲者


・ 死   者  :  30,974人

・ 行方不明者 :   4,698人

・ 避 難 民  :  553,287人

・ 親とはぐれ親戚など
(拡大家族)
 身を寄せている子ども:1,169人

・ 身寄りを亡くして施設などで
  ケアを受けている子ども : 28人

・ どちらかの親を
    亡くした子ども : 3,729人
                (3月10日時点)
   = スマトラ沖地震被災者支援チャリティーの報告 =
                  日本スリランカ文化協会主催 (於;大阪大仏堂/2005.1.22~23)

  種 別            売り上げ     支 援 金    支援金率
 掛軸・色紙          \  186,000.   \ 186,000.    × 1
 絨毯・絵画          \  737,400.    \ 294,960.    ×0.4
 陶   器          \  26,520.    \ 10,608.    ×0.4
 香   炉          \  12,600.   \  1,260.    ×0.1
 マ フ ラ ー          \  13,000.   \  4,000.
 カレンの布          \  83,100.   \ 16,620.    ×0.2
 木工(まな板・椅子)     \  68,000.   \ 27,200.    ×0.4
 C   D          \   1,500.   \  1,500.    × 1
 合   計          \ 1,128,120.   \ 542,148.


   ※ 支援金はスリジナラタナ社会福祉協会に全額寄付。
     スリランカの子どもたちの教育支援に利用されます。

ネルソン・ウィターナゲ
スリランカ国在関西名誉総領事による被災地レポート。

 墨蹟展 ニャナー・ランカーラ師 スタッフ一同
                ニャナー・ランカーラ師と佐藤会長、向村氏。
 





介護老人福祉施設慰問

浄土真宗本願寺派 西法寺 楠 英信(堺市)


 今回高殿苑さんへ寄せて頂いて感じたのは、前回は私服で寄せて頂いたのですが、今回は全員がそれぞれの宗派の衣を着用し、パネルシアターでカレー作りのお話をした時は、カレーの具材は何が良いかを私たちと一緒に考えて下さり、歌謡曲を一緒に歌った時は、「懐かしいなぁ〜」といった声が聞かれ、童謡を一緒に歌った時は、童心に帰って歌わせて頂きました。 又、雅楽の演奏をさせて頂きた時は、曲を聴いて、「凄く雅な感じになった」というお声を掛けて頂きました。

 このように色々な催し物をさせて頂きながら、利用者の方々の間に入りお話やお手伝いをさせて頂いたのですが、その度に利用者の方から、「もったいないです」とか「ありがたい」といった言葉を頂いて、自分のような未熟な人間に人生の大先輩からそのような言葉を掛けて頂いて、今回の高殿苑さんへ寄せて頂いたことによって色々なことを吸収できた様に思います。

高殿苑1 高殿苑2 高殿苑3 高殿苑4





浜 の 清 掃 活 動

浄土真宗本願寺派 法雲寺 辻本純昭(豊中市)



 西宮港オーシャンマリンクラブが、西宮市の知的障害者授産施設入居者に毎年行っているクルーザーの乗船補助を行いました。

 突堤からクルーザーへの第一歩を踏み出すのに数十秒ぐらいかかってしまう方もおられました。 又、クルーザーに同乗して入所者のクルーザー内の移動の補助もしました。

 航行中に船尾のデッキで飛び散る水しぶきに硬直してしまう入所者も多数おられましたが、全員を無事船内ラウンジに案内できました。 デッキからラウンジへの移動時間もとてもかかり、景色を見る余裕はありませんでした。

 船内で親しくなった付き添いの授産施設指導員の方の「こんなの仕事です
から慣れっこですよ。 それよりも僕は休みが3週間に1回ぐらいしかありません。今年の年末年始もどうなるかそっちが気がかりです。」とおっしゃられた言葉が、「ご苦労様です。」という思いと共に今も心の中に深く残ってます。

 また、毎年無料でこのようなサービスをされているオーシャンクラブの方々に頭の下がる思いでした。

 午後2時ぐらいには乗船サービスは終了して、その後、西宮浜のゴミ拾いをしました。 拾いながら聞いた仏青メンバーの「たばこのフィルターは200年しないと自然に帰らない。」という言葉を聞きました。

 また、先日テレビを見ていると、日本のゴミがハワイ諸島のある島に全て漂着していると報じられていました。 日本製のペットボトル等がハワイの島の海岸に打ち上げられていました。 しかし、この日本にも韓国からのペットボトルが多数やってきてます。

 たばこのフィルターもさることながら、プラスチックだって自然には土に帰りません。

 我々は地球という大いなる生命体の上で生活させていただいているのではなかったか!? 温暖化は何を意味するのでしょう?

 スキューバダイビングとシュノーケリングとウィンドウサーフィンを愛する私は絶対にゴミは持ち帰っています。

マリンウィーク1  マリンウィーク2  マリンウィーク3  浜の清掃





阪神淡路大震災慰霊法要 & 行脚

浄土宗 竹林寺 寺本憲生


震災法要1

 平成17年1月16日夕刻、神戸JB事務所にて阪神淡路大震災犠牲者慰霊逮夜法要が行われました。 発生から丸10年を迎える今年、お坊さんとして現地で出来る事は、と考え参加しました。 法要では仏教各宗派の青年僧を中心に40名程の読経によって犠牲者への哀悼の意が捧げられました。

 翌朝、まだ夜も明けぬ暗いうちにJR鷹取駅前から日吉のあわせ地蔵に向かいました。 小雨の中、あわせ地蔵前に着いた時には、既に付近の住民の
方々が集まっておられました。 昨年10月の新潟県中越地震で大きな被害を被った旧山古志村の長嶋村長やテレビの取材も駆けつけていました。 やがて5時46分、地震発生と同時刻になり一同黙祷。 続いて、小さな広場に読経の声が響く中、参列者が相次いで地蔵尊前で焼香・合掌なさいました。 早朝にもかかわらず、住民の方々からは温かいぜんざいと豚汁を振舞って頂きました。

 雨あしが強まる中、法螺貝の音に先導されながら信行寺に向かって行脚を始めました。 途中2ヵ所の公園で被災者住民らの灯した慰霊の蝋燭の前で読経。 他にも公園では楽器の演奏など、思い思いに鎮魂の祈りを捧げようと集まった人々の様子が見られました。 空も明るくなった頃、信行寺に到着して本堂で読経しました。 全壊して瓦礫と化した震災当時の本堂の写真を見ながら、立派に再建された苦労を偲びました。 信行寺からは御菅公園へと移動し、私たちはここでも読経を行いました。最後に福巌寺に到着して法要を勤め、行脚の締めくくりとしました。

 他宗派の僧侶による数キロの行脚はどれ程の人の目に留まり、どのような印象をあたえたのでしょう。 私には未曾有の惨事を記憶に留め伝えていこうと、10年経った今なお、多くの人が共に集い時を過ごしている様子に印象を受けました。 今回の参加で震災直後に現地にボランティア入りした方や被災地近くの住職から当時の様子を聞くことが出来たのも貴重でした。 いつ再び起きるかもしれない天変地異に対して、起こる前、起こった後、お坊さんとしては何が出来るのか? そのことを考える起点となった慰霊法要でした。

慰霊行脚

寺本憲生&立石泰行

あわせ地蔵

信行寺

福巌寺





東大寺 花まつり千僧法要



浄土真宗本願寺派 法雲寺 辻本純昭(豊中市)

東大寺

 奈良時代に聖武天皇は、奈良に様々な寺院を建立した後、正統な仏教継承をする為、唐の国師鑑真和上に、盲目を伴うご苦労の末に来日して頂きました。 和上は、東大寺にわが国初の戒壇を設け、天皇に戒法を授け、わが国初の授戒会を執り行われました。

 これを期に、天皇・朝廷の保護の下、南都六宗が興隆していきました。

 そのような歴史の重みがある東大寺で、平成17年4月26日に花まつり千僧法要に出座させて頂きました。

 花まつり千僧法要当日は、法要寸前に突然の豪雨に見舞われ、少々開始時刻が遅れましたが、釈迦如来と諸仏のお陰(?)か、何とか持ち直して晴れて下さいました。

 散華しながら進列していきますと、先ほどの雨でできた水溜りに、落ちて濡れた華葩(けは)を、必死で拾う観光客が不憫で、又、法要に触れてもっと仏教に少しでも関心を向けてくれたらいいという思いから、華葩の半分は直接手渡しで進列しました。

 普段は入れない大仏殿内陣壇上に着座させて頂き、大仏様を見上げると、視界の9割は大仏様に覆われて「絶句、感動」でした。 聖武天皇、鑑真和上、その他の仏教に関わって下さった先師たちのご苦労を偲ばずにはおれませんでした。

 少々悲しかったのは、大仏殿の法要中に観光客の話し声が止まらなかった事です。法要中に私語を慎めない、薄れゆく日本人の宗教心を悲しく思いました。

 それだけ、「法要、儀式は厳粛だ。」というワールド・スタンダードの良識と宗教心を、我々は物質文明と引換えに失いつつあるのでしょう。

 「今こそ宗教者がしっかりしなければいけない。」と感じさせて頂いた良縁でした。





第39回 大阪府仏教徒大会

真宗大谷派 圓勝寺 増田友信

 平成16年11月10日(水)心斎橋のホテル日航大阪に於いて、第39回大阪府仏教徒大会を開催致しました。

 第一部では、窪田譲氏
(大谷女子短期大学学長)指揮による音楽法要や住職在任30年の表彰など式典を、第二部では時事問題を取り上げたシンポジウムを行いました。
 今年で15回を数える討論会では、「“宗教と政治X” また、日は昇るのか 〜 政治・宗教・教育 戦後60年を論断する」をテーマに、民主党参議院議員の前田武志氏、大阪市仏教会会長の麻生弘道(高野山真言宗 太融寺 住職)、元NHK記者の川崎泰資(椙山女学園大学教授)の3名をパネリストに迎え、大阪府仏教会会長の増田貞圓(真宗大谷派 圓勝寺 住職)進行のもと、今年も熱い議論が交わされ、およそ380名の参加者は熱心に耳を傾けていらっしゃいました。
                                (→関連リンクはこちら

 前田氏は、元外務省
(建設省より出向)難民担当一等書記官として駐在していたベトナム大使館時代(昭和40年代)の経験から、政治と宗教と民族性との関係を例に、「現在の日本のような官僚主導の政治ではダメ! 国民主導のしっかりとした政党選びが重要。」と述べられ、「仏教の慈悲の教えを世界に広めることが、世界情勢、特に紛争解決のカギである」と述べられました。

 当会ではすっかりお馴染みとなりました川崎氏は、「現在の日本の借金は960兆円(予算の12年分)、国民一人当たり750万円にものぼる事、そして年金問題にいたっては“国家的ドロボウ事業”である!」と、憂うべき国内情勢を述べられ、その原因は政治家と官僚にあると論断。 「この忌々しき事態にもかかわらず、小泉政権は公明党=創価学会に支えられて自衛隊をイラクへ派遣している」と指摘。 伝統教団の奮起を促されました。

 大阪拘置所教誨師並びに篤志面接委員も務めておられる麻生師は、「全国の刑務所は満杯状態。 これ程まで治安が悪化した原因は、宗教教育がなされていない事により善悪の区別がつかなくなっている」と指摘。 宗教教育をしたくても国の政策により、公立学校や地域ではしづらい状況になっていると、逆に政治家の奮起を求められました。

 最後に増田会長より、「重要なのは、宗教者は地域のリーダーたるべきであり、我々僧侶は日常の活動が何よりも重要である」と締めくくりました。

 私たち僧侶は、まず日常の法務を大切にし、そしてそれ以外に如何に世間との接点を持ち活動するのか。 釈尊の下に集い、広義に活動することの重要性を私は感じました。

 なお、会に先立ち、
(財)小笠原流煎茶道社中によるお茶席が設けられ、参会者に振舞われました。

 また、中越地震と兵庫県・京都府の台風による水害救援募金を行い、約19万円の義援金が集まりました。 皆様ご協力どうもありがとうございました。

お茶席受付 お茶席受付2 災害救援募金 お茶席





全日本仏教青年会
全 国 大 会

融通念仏宗青年会 副会長 田中良宏


富田冨士也

 去る3月9日、さいたま市民会館うらわに於きまして、全日本仏教会並びに全日本仏教婦人連盟のご後援を頂き、『青少年はいま、』をテーマに全日本仏教青年会2005年全国大会が盛大に開催されました。

 開会の辞の後、羽生裕彦理事長に導師を賜り、各加盟団体代表にご出仕頂き、参加者全員で法要を勤めました。 昨年は中越地震、相次ぐ台風の到来、また海外ではインド洋の大津波と、災害の続いた年でありま
した。その犠牲となられた方々のご冥福と地域の一日も早い復興をお祈りいたしました。

 続いて、緊急PRとして、岩田賢雄氏より『「心臓震盪」から子どもを守ろう!』と題して、「心臓震盪」による子どもの突然死の現状とその予防・対処方法等をお話頂きました。 自分の身近でも起こりうるこの事例に対する認識の低さに身につまされる思いが致しました。

 引き続き、富田富士也先生にご講演頂き、まず第一部『コミュニケーション不全に悩む現代の青少年問題』として映像や音楽・朗読等も交えながら、ひきこもりや自殺、摂食障害、薬物等の、現代に生きる青少年の問題を考えました。 第二部は『和尚さんのためのカウンセリング・ワークショップ』として、参加者同士ペアとなって実戦形式の講義を頂きました。先生の講座は話し手と聞き手の距離がとても近く、とても分かりやすいものでした。 まずは話を聞いてあげる事の大事さ、資格の有無に関わらず我々僧侶にもカウンセリングというものが出来ると知りました。また参加された方々の積極的な雰囲気から、この問題に対する関心の高さを感じ取れました。

 有意義な内容で、参加者の姿勢からも、全日本仏教青年会の益々の発展を予感させる素晴らしい会だったと思います。



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